好奇心を武器に。若き案内人の目指す未来と現在地−。

横須賀で働く人々や、そこに秘められた想いを通して横須賀の魅力を紹介する特別インタビュー。
かつて無人島・猿島でBBQスタッフのアルバイトとして海に関わりをもった青年がいま、「YOKOSUKA軍港めぐり」の若き案内人として新たなスタートを切った。
明るく人懐っこい性格と、その裏にある強い決意を覗いてみた。

きっかけは無人島・猿島でのアルバイトから

大学に入って何か新しいアルバイトはないかな、って探していた時に、軍港めぐりや猿島BBQを運営しているトライアングルで働いている先輩に「一緒にどうだ?」と誘っていただいたのがきっかけでした。最初は猿島のBBQショップのスタッフとして機材の貸し出しなどを行っていました。そのうち同じくトライアングルが運営しているYOKOSUKA軍港めぐりでも手伝わせていただくようになって先輩案内人の仕事ぶりを見るうちに、この仕事に魅せられてしまいましたね。
僕は生まれも育ちも横須賀ですが、東京タワーに東京の人がのぼらないように、あまり海に行かないし、船もじっくり見ない。自分もこの仕事に就くまでは、横須賀にこんな大きな軍港があるんだ、海上自衛隊の基地があるんだって知らなかった。こういった船のお仕事で船に乗る機会も増え、東京湾を頻繁に見るようになって初めて、あんな船が横須賀に入ってきてるんだ、あんなでっかい潜水艦がいたのか!という驚きや発見に出会えました。ずっと身近にあったのに、知らないことばかりだったんですよね。

案内人によって、お客さんによって、軍港めぐりは毎回違う

軍港めぐりの案内は決まった台本はないので、案内人によって個性がさまざまです。船が詳しい人もいれば、横須賀が単純に大好きで案内人をやっている人もいる。さらに、船の話はあまりしないのに横須賀の歴史を語らせたら右に出る人はいない、という人もいます。
自分は好奇心旺盛で、調べ物が好きなんです。普段からいろいろな情報を調べてメモをとって、軍艦の情報から船酔い対策の豆知識まで、お客さんの年齢層や状況によって使い分けています。今では横須賀の有名なクルージングにもなっているので、横須賀の名物を紹介する立場として、気を引き締めています。

この仕事のやりがい

軍港めぐりは「案内人の小川陸人です。どうぞよろしくお願いします!」という自己紹介からスタートします。みなさん拍手をしてくださるのですが、もちろんお客様とは初めましてなので、少し距離感があります。でも案内がすべて終わって「今日案内させていただきましたのは小川陸人でした。ありがとうございました!」って言って終わった時はものすごい拍手。
これがたまらないです。やりきったな、みたいな。ちっちゃかった拍手も、45分間一緒にクルージングすると、最後に大きい拍手に変わる。最初と最後のこの差に、一番やりがいというか達成感を感じますね。

案内人としての夢はでっかく

先輩には「ウザイくらい〝こなれてる感〟がある案内だね」って言われちゃうんですよ。でも「お前の特徴だし〝色〟だから、どんどん伸ばして欲しい」って言ってくれるんですけど。背伸びしている感じがあるのでしょうかね・・・個人的にはそんなこと全然ないのですが、やっぱり10年後、〝こなれた感じ〟ではなく〝慣れてる〟、ちゃんと自分の〝色〟がある案内人になりたいと思います。
さらにその先の夢としては、「あの人、軍港めぐりの人でしょ?」と街で言われたい。ちょっと名が知れているというか。どこの街にも「あれって言ったらあの人だよ」みたいな人、いるじゃないですか? YOKOSUKA軍港めぐりといえば小川陸人! ──そうなれたらいいですね。夢はでっかく持っていたいと思います。

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